|
開けたときは香りからシーンと静けさを感じさせる感じで、全く持って閉じこもりきりで固い印象の香りの中に薬臭ささえ感じる漢方やスパイスの香りを感じ、コルクをチェックしているとみるみる間にその香りは変化していきました。
しかしながらグラスに注いだワインは静けさを保ったまま全く口を聞いてくれない頑固なワイン。
しかし、10分、30分、1時間と時間を経つ毎にこの引きこもり君は段々と心を開いていき素晴らしい芳香を放ち始めます。
その香りは濃厚なブラックベリー系が主で漢方に通ずるスパイシーな芳香が複雑。
香りから察するには今まで飲んだミッシェルローランのワイン達とは一線を画す印象を受けます。
飲んでみるとインパクトと飲み易さに照準をおいた今までのロランのワインとは明らかに違う!
ワインからはロランの新しい流れの味わいではなく、無骨でどこか泥臭ささえ感じさせるいかにもメドックらしい味わいが溢れ、どちらかというと古典的な味わいを感じさせました。
口中で濃さと凝縮感を感じさせる味わいが複雑さを増し、懐の深さを感じさせ樽から来るタンニンも強すぎず心地がよいもの。
このワインを飲んでビックリしたことは凝縮感やタンニン分は非常に濃く、若々しいものの全体の輪郭や余韻は非常にまろやか。
2005年という若いヴィンテージにも関わらず荒々しさを抑え、嫌味のない丸い味わいを出しているのです。
ここはまさしくロラン・マジック!
古典的な流れの中にミッシェルローランらしい新しさを感じさせる素晴らしいワインだと思いますね。
ミッシェル・ローランは無名なシャトーから次々とシンデレラワインを造り出し、ワイン造りは栽培・土壌だけではなく、醸造が大きな役割を占めることを証明し、世界のワイン事情を大きくレベルアップさせたとともに世界中のワインの味わいを画一させてしまったと大きな批判も受けています。
しかし、このワインを飲む限り、メドックという世界最高のワイン生産地の特徴を引き出しながらもミッシェルローランの持つ、独特なニュアンスを融合させているのはそういった批判に対しての挑戦状のように感じました。
皆さんはこのワインを飲んでどのように感じるのでしょうか?
是非とも世界のワイン事情の鍵を握る彼の思いをこの一杯から汲み取ってみてください。
しかし、このラベルの凄さは・・・
勝新太郎がバラの花を見つめているように見えるのは私だけでしょうか?
国産ワインの未来を変えたあのデュブルデューが造る次回ヴィンテージも楽しみです。
|