九州中の鑑評会に出してみたら、見事落っこちるわけです。ともだちが心配して審査員に聞いてくれたら、今までにない香りだから落としといたって言うんですね。 2年前の話なんですが、微生物学会で有名な友人から電話があった。南部杜氏組合の新作勉強会で、吟醸酒が並んでいる端っこに、ラベルのない「鳥飼」をわざと置いてみた。そうしたら、誰が持ち込んだんだ、吟醸の辛口だと思って飲んだら違う、焼酎じゃないか。どうやって造ったんだろうって、わいわい言ってね、それからもうすごかったよって。そんなこと言ったってお前、九州中の鑑評会で落ちたんだよって言ったんです。そうしたら、そんな田舎でやってるから駄目なんだって言われた。
彼がベルギーまで電話してモンドセレクション国際食品コンクールの手続きを全部とってくれました。そうしたら、いきなりグランプリをとったもんだから、電話のむこうで、ほら見てみろって、大騒ぎしてる。君はむこうでの事情を知らないから、これがどんな大変なことかわからない。グランドゴールドメダルっていうのは生易しいもんじゃなくて、一発でもらえるもんじゃない。
宣伝は一切しません。 ぼくがおいしいよっていうのはメーカーだから当たり前なんで、誰もそのように受け取らないですよね。「宣伝というのは、自分でやるものじゃなく、お客様がやるもの」という京商人のことばがあるのだけれど、そうしないと宣伝にならないわけです。